動物性高貴生薬−牛黄

牛黄 は何に効くか・・・
命を養う「上薬」
■■■■■■ 牛黄は、牛の胆嚢や胆管中に稀に発見する「胆石」を乾燥させたもので、「上薬」(命を養う薬)に類別されています。 ■■■■■■

牛黄−Index

牛黄とは
 
牛黄の歴史
 
牛黄は何に効くか
 さて、このように牛黄は洋の東西を問わ ず珍重されてきた薬物ですが、一体何の治 療に用いられたのでしょう。  現代では牛黄は『日本薬局方』という医 薬品の公定書に収載され、滋養強壮薬、強 心薬、小児用薬、かぜ薬や胃腸薬など様々 な医薬品に使用されていますが、現在の利 用法のもとになった文献には一体どのよう なことが書かれていたのでしょうか。                                                      牛黄に関する最も古い記載は 『神農本草経(シンノウホンゾウキョウ)   』にあります。そこには「驚痛寒熟(キヨウキヨウカンカンネツ)、熟盛狂痙(ネッセイキヨウケイ)   。邪(ジャ)を除き、鬼(キ)を逐(オ)ふ」と記されています。これは主として急に何物かに驚いて卒倒して人事不省になってしまった者や、高熱が続き、痙撃を起こしたり、そのた めに精神に異常をきたしたりした者の治療に使用し、死人のたたりの鬼気を逐い払う作用があるとしています。これは即ち邪や鬼といったもので現される病気を駆逐したり、病気にかからないようにするといったように治療のみならず予防医学的にも使われていたようです。中国の梁の(5〜6世紀) の時代の陶弘景(トウコウケイ)の著した『神農本草経集注(シンノウホンゾウキヨウシツチユウ)』には、漠の時代の『名医別録(メイイベツロク)』の引用として「小児の百病、諸癇熱(カンネツ) で口の開かぬもの、大人の狂癲(キョウテン)を療ず。久 しく服すれば身を軽くし、天年を増し、人を して忘れざらしめる」 と記されています。 これは子供の病気ならどんなものでも、高 熱を発して歯をくいしばって口を開かなく なってしまう者や、大人なら精神錯乱を治 し、長期間にわたって服用すれば新陳代謝 を盛んにし、寿命をのばし、物忘れしなく なるということでしょうか。ところでこの 『名医別録』にも記載されていますが、牛黄の面白い作用に「人をして忘れざらしめる」 というのがあります。これは宋の時代(10世紀)に大明が著した『日華子諸家本草』とい う書物にも「健忘」としてあげられており、 いわゆるボケの予防または治療に用いられてきたと考えられます。現代の中国では、 牛黄を芳香開寮薬というカテゴリーに分類し、脳卒中や脳梗塞などの脳血管障害に よる意識障害に用いているところをみると、 古い書物の臨床適応も十分納得がいきます。 牛黄の薬理作用の一つに末梢の赤血球数を 著しく増加させるといった報告があります が、これなどもボケなどの脳血管障害には 有効に働くものと考えられます。                                           牛黄にはこの他、時代が下って行くにしたがって様々な臨床適用が付け加えられ、 ますます重要な薬になってきています。中国では、その何物にも替え難い薬効を、な んとか多くの患者に利用しょうと、人造牛黄まで作って臨床に応用しています。

牛黄の製剤


牛黄が主成分の薬
牛黄清心丸
日水清心丸
霊黄参

 
高麗人参
ナガエ薬局